ジイドの名言には、「心というものは、使わずにおくと干からびるものである。」「貞淑とは虚栄である。それは形を変えた自尊心である。」などがあります。
今回は、ノーベル文学賞受賞したフランス人作家、アンドレ・ジイドの名言をご紹介します。
ジイドの略歴・生涯
アンドレ・ポール・ギヨーム・ジッドは、フランスの小説家。アンドレ・ジイド(昭和時代はこの表記が多かった)、アンドレ・ジードとも表記される。
文壇誌『新フランス評論(NRF)』創刊者の一人。『日記』は半世紀以上書かれ、フランス日記文学を代表する作品である。
氏名 | アンドレ・ポール・ギヨーム・ジッド(André Paul Guillaume Gide) |
職業 | 作家 |
国籍 | フランス |
誕生 | 1869年11月22日 |
死没 | 1951年2月19日 |
享年 | 81歳 |
ジイドの名言
心というものは、使わずにおくと干からびるものである。
例えば、子供の頃を思い出してみてください。目に付くものすべてが新鮮に見え、興味や関心、感動を覚える機会がとても多かったはずです。年齢を重ねるにつれそういったことは少なくなるのは、仕方のないこと。しかし、完全にゼロになってしまうのは考えものです。何かに感動したり、興味や関心を持つことがなくなってしまうと、人生が無味乾燥なつまらないものに見えきてしまう恐れがあります。
貞淑とは虚栄である。それは形を変えた自尊心である。
人間であれば、欲があって当然です。周りの人に自分をよく見せようと貞淑な振る舞いを意識するのは、その欲に蓋をしているということ。そうやって、自分のプライドを保っているのかもしれません。
幸福になる秘訣は、快楽を得ようとひたすら努力することではなく、努力そのものに快楽を見出すことである。
人生はよく旅に例えられますが、旅が楽しいのは目的地に着いた時だけではないですよね。むしろ旅の準備や、その道すがらに楽しみがあるものです。自分にとっての幸せを遠くに置くのは、不幸の始まりです。幸せを「今ここ」に感じましょう。
あらゆる美徳は自己放棄によって完成される。
漢字の「美」は「羊」の下に「大」を付け加えますが、これは羊の群れが狼などの外敵に襲われた時、群の中で一際大きな羊が敵と戦っている間にを仲間の羊たちを逃す様子を称えたことが、「美」の漢字の由来になったそうです。人の心を打つ「美しさ」とは自己犠牲のうえに成り立つもの、と言えるでしょう。
永続する芸術作品とは、時とともに嗜好が変わっても、常にこれらの新しい嗜好を満足させることのできるものである。
芸術作品は時代に合わせてその内容が変わるわけではありませんが、どの時代の嗜好も満足させられる奥深い味わいがある、あるいは、人間の本質的な部分に訴える力を持っているからこそ、いつの時代の人々にも愛されるのかもしれません。芸術作品に限らず、永続するものには一様に同じことが言えると思います。例えばビジネスにおいても、日本には創業数百年を超える老舗の会社やお店が多くありますが、時代ごとにサービスの内容の見直しを行い、絶えず変化し続けることで、生きながらているからです。
偏見は文明の支柱である
何かに対する「好き嫌い」や「良し悪し」を、大勢の人が共有している状況が生まれた時、そこに文明が生まれるということでしょうか。ひょっとしたら、世の中に中立的な見方というものは、そもそも存在し得ないのかもしれません。