エピクテトスの名言には、「与えられたものを受けよ、与えられたるものを活かせ。」「自由意思は盗人の手にとどかざる財宝なり。」などがあります。
今回は、古代ギリシアのストア派の哲学者として後世に語り継がれる知られる偉人、エピクテトスの名言をご紹介します。
エピクテトスの略歴・生涯
エピクテトスは、古代ギリシアのストア派の哲学者。その『語録』と『提要』は、すべてのストア哲学のテキストの中でおそらくもっとも広く読まれ、影響力の大きなものであるといわれる。苦難の中にあって平静を保つことや、人類の平等を説いたその教えは、皇帝マルクス・アウレリウスの思想にも引き継がれており、ストア主義の歴史上重要な意味を持つとみなされている。
氏名 | エピクテトス(Epiktētos) |
職業 | 哲学者 |
言語 | 古代ギリシア語 |
誕生 | 50年ごろ |
死没 | 135年ごろ |
享年 | 推定85歳 |
エピクテトス 名言
与えられたものを受けよ、与えられたるものを活かせ。
「あるものを活かすこと」の重要性はいろいろなところでも言われていますが、「ないものを活かすこと」も実はとても重要です。ないものを活かすとは、つまり、「できないことはやらない」ということ。もっというと、できないことはそれをやることを免除されているという意味では、できることと同様に神様からのギフトなのです。
自由意思は盗人の手にとどかざる財宝なり。
民主国家では、あなたが思ったり考えたりすることは誰にも強制されません。自由に考え、自分の意志で行動していいのです。これらは、先人たちが時の権力者と争い勝ち取ってきた正当な権利。その権利を自分はちゃんと使えているのかどうかは、常に心のどこかで自問しておきたいところです。
自分のものではない長所を自慢してはならない。
例えば、自分の身内や友達、勤めている会社を自慢している人などがこれに当てはまるでしょう。もとより、自慢話ほど聞く相手を白けさせるものはありません。それが自慢している本人のことではいのだとしたら、なおさらです。若気の至りならまだ可愛い程度ですが、ある程度年齢を重ねているのなら、即刻自重すべきです。
金銭・快楽あるいは名誉を愛するものは、人を愛し得ない。
人を愛するということは、ありのままのその人を受け入れること。お金や快楽、名誉はあくまで外面的な事柄に過ぎません。それらは相手に興味を持つことの入り口にはなり得ても、愛することの条件としては非常に脆いものです。もちろん、最初から割り切った関係築くのも一つの選択です。
快楽を控えるは賢者、快楽の奴隷なるは愚者なり。
人間と動物との大きな違いは、理性によって自分をコントロールする能力の有無にあります。本能の赴くままに快楽に溺れ、最後には快楽のために他のものを犠牲にする人生は、まさに「快楽の奴隷」。人間を名乗るなら、快楽と理性的に向き合い、それをコントロールする術を学んでいく必要があります。
順境にて友をみつけるはたやすく、逆境にてはきわめてむずかしい。
何事も順調でうまくいっている時は、何もしなくても周りに人が寄ってくるもの。人という生き物は弱く単純で、うまくいっている人に近づいてつながっておきさえすれば、優越感や安心感を得られやすいのです。それに対し、うまくいっていない時(あるいはそのように見える時)、人は自然と周りからいなくなっていきます。逆に言えば、困難な時に利害関係なく側にいてくれる人、応援してくれる人は真の友であり、大切にすべき人です。
神が人間に一つの舌と二つの耳を与えたのは、話すよりも二倍多く聞くためである。
話を聞くことはコミュニケーションの最重要ポイントです。ただ話を耳で聞くだけなら誰でもできますが、相手が言いたいこと、本当に望んでいることを察することができるのはほんの一握り。逆に言えば、それができるようになれば、コミュニケーションはより円滑になること間違いなしでしょう。
ただひとつの人間の良心のみが、あらゆる難攻不落の要塞より安全なり。
人には誰しも良心が生まれつき備わっています。すべての人が良心に従って行動すれば、愛で溢れた争いの無い世の中がきっと訪れるはずです。しかし現状の世界がそうならないのは、良心の声を無視し、エゴや恐れから行動する人の割合が大多数を占めるからでしょう。結果として、身を守るために本来なら必要のないようなことに国を挙げてお金をかけているのが、今の人類の現状なのかもしれません。