アウレリウスの名言【自省録で知られるローマ皇帝のことば】

アウレリウス 名言集

アウレリウスの名言には、「幸福は、その人が真の仕事をするところに存在する」「忍耐は正義の一種なり」などがあります。
今回は、自省録の著者としても有名な第16代ローマ皇帝、アウレリウスの名言をご紹介します。
 
 

アウレリウスの略歴・生涯

 

マルクス・アウレリウス・アントニヌスは、第16代ローマ皇帝である。五賢帝最後の皇帝。第15代皇帝アントニヌス・ピウスの后妃ファウスティナ・マイヨル(大ファウスティナ)の甥で先帝の外戚にあたり、また大ファウスティナはハドリアヌスとトラヤヌスの傍系血族でもある。

外叔父アントニヌスの皇女で自身の従姉妹であるファウスティナ・ミノル(小ファウスティナ)と結婚して帝位を継承したが、共同皇帝としてハドリアヌスの重臣の子ルキウス・ウェルスが立てられていた。アウレリウスは小ファウスティナとの長女ルキッラ(英語版)を嫁がせて両皇帝の結束を固めたが、169年にウェルスが崩御した事で単独の皇帝となった。

ストア哲学などの学識に長け、良く国を治めた事からネルウァ、トラヤヌス、ハドリアヌス、アントニヌスに並ぶ皇帝(五賢帝)と評された。対外政策ではパルティアとの戦争に勝利を収めたが、蛮族への予防戦争として始めたマルコマンニ人、クアディ人、サルマティア人などへの遠征(マルコマンニ戦争)は長期戦となり、国力を疲弊させ、自らも陣中で崩御した。

軍事よりも学問を好んだ皇帝という姿は、彼の著作である『自省録』への評価を通じて今日も維持されている。これは『国家』を執筆したプラトンの時代から学識者にとって理想とされた「哲人君主」の実現例と見なされているからである。

また、後漢書に見られる大秦国王の安敦とは、彼のことだとされている。

wikipedia

 

氏名 カエサル・マルクス・アウレリウス・アントニヌス・アウグストゥス(Caesar Marcus Aurelius Antoninus Augustus)
地位 第16代ローマ皇帝
出生 ローマ
誕生 121年4月26日
死没 180年3月17日
享年 58歳


 
 

アウレリウス 名言

 

幸福は、その人が真の仕事をするところに存在する

– アウレリウス –

 

真の仕事とは、ライフワークとも言い換えられるでしょう。
幸せは色々なところで感じることができますが、やはり仕事から得られる幸せは格別の充足や達成感をを感じられるものです。

もし、今の仕事をつまらないのだとしたら、その仕事をライフワークにできないか検討してみてはいかがでしょうか。
場合によっては、転職という選択肢も出てくるかもしれません。


 
 

忍耐は正義の一種なり

– アウレリウス –

 

何事も一定の成果を望むのであれば、ある程度時間がかかります。
これは、自然の法則のようなものです。
土に植物の種を撒いたからといって、すぐに芽が出るものではありません。
どれだけ成長を早めようと工夫をしても、どこかの時点でただじっと待つしかない場面がきます。
ときに、「何もせずにじっと耐えること」が正しい選択となり得るのです。


 
 

人生は闘争にして、旅人の仮宿なり

– アウレリウス –

 

闘争とは、現代でいうところの「競争」に置き換えられるでしょう。
私たちは、望むにしろ望まないにそろ、絶えず他者との競争の中に身を置かざるを得ません。
そうすることで他者、ひいては社会の役に立ち、その報酬として対価を得ているのです。

後半の「旅人の仮宿」とは、ややスピリチュアルなニュアンスを含むように感じられます。
輪廻転生があることを前提とするならば、私たちの魂は旅人で、今世を仮宿として生きている、ということでしょうか。
この考えを取り入れることで、今の人生対する向き合い方も変わってきそうですね。


 
 

悪をなす者はみずからにも悪をなす。

– アウレリウス –

 

アウレリウスは「罪」についても、次のように語っています。
「罪を犯す者は己自身に対して犯すなり。不正の人は、みずから己を悪者にする意味において、己の不正での犠牲者なり。」

悪い行いが、周りはもちろんのこと、自分自身をも犠牲にする愚かなことであると戒めているのですね。
誘惑に負けやすい人は、特に心に留めておきたい言葉です。


 
 

目的なしに行動するべきではない。

– アウレリウス –

 

これは、特に仕事において言えることかもしれません。
生産性を高めるには、一つ一つの行動を目的を持って取り組むことは極めて重要になってきます。
もちろん、最初から完璧には無理ですが、それでも目的を持って何かに取り組むクセ付けを普段から心がけたいところです。


 
 

私が人間である限り、私の祖国は世界である。

– アウレリウス –

 

生まれた場所に捉われず、広い視野を持つことの重要性を感じさせられます。もちろん、生まれた場所を軽視していいわけでは決してないでしょう。そこには自分の大切なルーツがあるからです。ただ、それすらも世界の一部であることに変わりはありません。技術の進歩よって、もはや一つの国単体で今の文明を享受することはできなくなってきました。世界中の国は独立しているようで、それぞれ相互に深く関わっています。世界を一つの国として捉えたうえで、国や地域、そして個人のあり方を問うことが求められています。


 
 

巣箱の利益にならざることは、蜜蜂の利益にもなり得ず。

– アウレリウス –

 

「社会のためにならないことは、個人のためにもならない」とも言い換えられるでしょう。
人間は社会的な生き物ですので、個人の利益の追求しても、それが社会のためにならなければ、長続きしないもの。
何事もどちらか一方の利益を追求してはダメで、両方の利益を考えることが大切なのですね。


 
 

苦しみは苦しむ者がその限界を知り、その恐怖に想像を加えさえしなければ、耐えられないこともないし、永遠に続くものでもない。

– アウレリウス –

 

苦しみをありのままに捉えることの重要性を説いています。たしかに、現実的にあり得る範囲で最悪の展開をあらかじめ想定しておくことで、その苦しみの限界値を知ることができます。そこに恐怖心からくる非現実的な妄想さえ加えなければ、想像の中で苦しみが肥大化してしまうことはありません。何事も正体さえ掴めれば、その解決策は自ずと見えてくるでしょう。