ジョーベルの名言には、「子どもには批評よりも手本が必要である。」「老人は民衆の威厳である。」などがあります。
今回は、死後に出版された『思想』という書物でよく知られる、ジョセフ・ジュベールの名言をご紹介します。
ジョセフ・ジュベールの略歴・生涯
14歳からトゥールーズの宗教大学に通う。1778年にパリに行き、そこでダランベールやディドロなどと出会い友人となった。
ジュベールは生前は何も出版しなかった。しかし、人間の存在の本質、文学、その他のトピックについて、痛烈でしばしば格言的なスタイルで、膨大な数の手紙を書き、紙や小さなノートを残した。ジューベルの死後、彼の未亡人は友人のフランソワ・ルネ・ド・シャトーブリアンにこれらのメモを託す。1838年に、シャトーブリアンはRecueil des pensées de M. Joubert (ジュベール氏の思惟集) というタイトルのセレクションを出版するに至った。
氏名 | ジョセフ・ジュベール(Joseph Joubert) |
職業 | 哲学者、思想家、エッセイスト |
国籍 | フランス |
誕生 | 1754年5月6日 |
死没 | 1824年5月4日 |
享年 | 69歳 |
ジュベールの名言
子どもには批評よりも手本が必要である。
子どもは大人が思っている以上に大人のことをよく見ているものです。何かを教えたい時は、あれこれ口で伝えるよりも、手本を示すだけで事足りる場合が多いのかもしれません。もちろん、これは子どもだけではなく、大人でも当てはまると言えます。
老人は民衆の威厳である。
たしかに、立派な老人が多い社会は、それだけ成熟した社会と見ることができるでしょう。老人が豊かで幸せに暮らしている姿を見て、その後に続く世代が自分もああいう風に歳を重ねたいと思うもの。これは、未来に希望を持って生きられることを意味します。老人の姿を見れば、今の社会の様相が見えてくるのかもしれません。
目的は必ずしも達成されるために立てられるものではなく、照準点の役目をするために立てられるものである。
目的を達成できるに越したことではありませんが、目的を立てることで基準ができ、判断に迷うケースが減ります。特に、組織で一つの同じ目的を共有することは、むしろのその達成よりも、統率に大きく貢献するでしょう。
時はいっさいのものをゆっくりと破壊する。
何事も「急激な変化」が起きることは確かにありますが、多くの場合、急変する前の予兆となる小さな変化が起きているものです。満開の花も、ある日一気に散りゆくのではありません。日に日に少しずつ枯れて、やがてはすべての花びらを喪失します。大切なのは、初期に起きるわずかな変化を察知して、備えをしておくことです。
学識なくして空想を持つ者は、翼を持つが足を持っていない。
何かを成し遂げたいのなら、そのために必要な最低限の知識くらいは身につけておくべき、という意味。知識を得た上での着想には、実現可能性はありますが、知識無き着想は往々にして荒唐無稽なものになりがちです。アイディアは、実現してこそ価値があるので、まずは必要な知識の習得に集中しましょう。
迷信は、下劣な魂の持主たちに可能な唯一の宗教である。
21世紀の現代においても、多くの「迷信」は存在します。基本的に、迷信はそれを信じさせることで得をする誰かが存在するからこそ、広まるものです。その正体を知ることが迷信から目を覚ます一歩になりそうです。
正義はつねに目標でなければならず、必ずしも出発点である必要はない。
人が行動する出発点になり得るのは、実際のところ「欲」であることの方が多いもの。決してこれは悪いことではなく、脳の仕組み上、致し方ないものと言えるでしょう。しかし、欲を満たしたあとは正義、すなわち人として正しい方向へと軌道修正していくことが大切です。