カフカの名言には、「私は自由です。だから道に迷ったのです。」「真実のない生とはあり得ない。真実とは多分、生そのもののことであろう。」などがあります。
今回は、実存主義文学の先駆者としても知られるチェコ出身の作家、フランツ・カフカの名言をご紹介します。
フランツ・カフカの略歴・生涯
フランツ・カフカは、現在のチェコ出身のドイツ語作家。プラハのユダヤ人の家庭に生まれ、法律を学んだのち保険局に勤めながら作品を執筆した。どこかユーモラスな孤独感と不安の横溢する、夢の世界を想起させるような独特の小説作品を残した。その著作は数編の長編小説と多数の短編、日記および恋人などに宛てた膨大な量の手紙から成り、純粋な創作はその少なからぬ点数が未完であることで知られている。
生前は『変身』など数冊の著書がごく限られた範囲で知られるのみだったが、死後中絶された長編『審判』『城』『失踪者』を始めとする遺稿が友人マックス・ブロートによって発表されて再発見・再評価をうけ、特に実存主義的見地から注目されたことによって世界的なブームとなった。現在ではジェイムズ・ジョイス、マルセル・プルーストと並び20世紀の文学を代表する作家と見なされている。
氏名 | フランツ・カフカ(Franz Kafka,) |
職業 | 作家 |
出生地 | チェコ |
誕生 | 1883年7月3日 |
死没 | 1924年6月3日 |
享年 | 40歳 |
フランツ・カフカの名言セレクション
私は自由です。だから道に迷ったのです。
人は誰しも自由を求める生き物。しかし、ひとたび自由を勝ち得た途端、その自由さゆえに人は迷います。結局人が求めているのは、完全な自由ではなく選択の自由であり、さらに言えば「自分で決めた」という実感さえ得られれば、それで満足なのかもしれません。
真実のない生とはあり得ない。真実とは多分、生そのもののことであろう。
『今の自分は「本当の自分」を生きていない』と感じたことがある人は、おそらく少なくないでしょう。また、『この場所では本当の自分でいられるけれど、別の場所では自分を偽っている』というように思うこともあるのではないでしょうか。しかし、人の人生にはここまでが真実で、ここからは真実ではない、などというような境界線は、実は存在しないのかもしれません。人は、元来多面的な性格を併せ持つものです。生きている限り、目の前の現実こそが本当の人生であり続けるのです。
この世の機構に隷属する人々は栄える。
人間社会はまだまだ発展途上であり、残念ながら支配される側と支配する側とに人を分け隔ててしまっています。それらは長い年月をかけて築かれた社会の仕組み・システムで、やはりそう簡単には変わらないでしょう。結果、仕組みを理解しうまく立ち回れる人々が栄える状態が今後しばらくは続いていくことが予想されます。
悪は善のことを知っているが、善は悪のことを知らず。
詐欺師は善人に見えることの方が多いもの。なぜなら詐欺師は自分が悪人だということを理解していて、相手をだますために善人を演じる必要があるからです。善人を演じるにはまず、善人を知らなければなりません。対して、悪人について知ろうとする善人は割合としては少ないでしょう。結果、大多数の善人はいつまでも悪人にだまされ続ける図式が成り立つのです。